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マイナビ編集長×学生座談会

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マイナビ編集長 高橋誠人さんに
KAERUKAMO HOUSEのメンバーがインタビューしてきました。

Text by kana hiyama

就職活動をしていると、頭をよぎる「地元」の存在。
生まれ育った場所のために何かはしたい。
でもUターンが目的の就職活動をしていいの?
「自分のやりたいこと」と「地元」どちらを優先すればいいんだろう。
就職活動の「そもそも」をマイナビ編集長に聞きながら、
自分の中で改めて「地元」のことを
どう捉えていけばいいのか考えてみました。

この方に聞きました

高橋 誠人高橋 誠人さん

東京都出身。2002年株式会社毎日コミュニケーションズ(現:株式会社マイナビ)入社。就職情報事業本部キャリアサポート課にて10年間、マイナビの学生向け広報業務に携わり、関西圏の大学、短大、専門学校での就活支援講座を多数行うなど、学生の就活サポートを精力的にこなす。

 

私たちが聞きました

檜山 加奈檜山 加奈

栃木県出身、茨城大学教育学部4年。自分のやりたいことを優先した結果、地元でも大学がある茨城でもない東京で就職活動を行う。新年度からは内定を決めた渋谷の会社で働く。

新井 明日香新井 明日香

茨城県出身、東洋大学教育学部3年。教員を目指して大学に入学するも、教員を支える仕事に興味が出てきて、現在はITの力で地元の教育現場を支える企業を模索中。

 

やりたいことができない!問題

— 高橋編集長の言葉 —
「やりたいことが100%できる会社」はないぞ!

 

高橋編集長
(以下高橋)

新井さんは今大学3年生ということで、まさに就活の真っ只中なんですね。どのような仕事をしたいと考えているのでしょうか?

新井

教師を目指して大学で学んできたのですが、次第に「教師をサポートする仕事がしたい」と思うようになったんです。そう考えた時に、黒板ってすごく先生の負担になっているなと。電子黒板を提供することで、教育の現場を支える仕事がしたいなと考えています。

高橋

やりたいことがすでに定まっているんですね!

新井

はい。やりたいことはあるのですが、それを実現できそうな会社が少ない、という悩みがあります。
就職サイトで検索しても、やりたいことがニッチすぎて…。視野が狭すぎるんじゃない?もっと色々な世界を見てきなさいって、周りの人にも言われるんです。でも、そうしたら私のやりたい仕事じゃなくなっちゃうよな、という思いもあって。

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高橋

なるほどね。

新井

視野を広げるって、どうすればいいんでしょうか?
いま候補に出ている数社を逃したら、解決したい目的からは遠ざかってしまう気がして…

高橋

まず前提として「達成したい目的に直結している仕事」の方がレアだと思うんです(笑)。
「自分のやりたいことは、最初の会社で100パーセント達成しないといけない」と思っていませんか?
そうではなく、新卒で就職する会社で「やりたいこと」は何割実現できて、それを達成、実現できた時点で次のステップにいく、という考え方でもいいと思うんです。

新井

「教師をサポートする」という目標は、時間がかかってもいい、ということですか?新卒で100%達成できなくても、30歳くらいでそこにたどり着いていればOK、みたいな。

高橋

おっしゃる通りです。30歳くらいで自分の実現したいことをまず決める。それを実現するためには、どんな経験をすればよいのか?どういう職種や業界を経れば近道なのか?そして、新卒の時点ではどのような会社に入るべきなのか?というふうに‥。最終的に自分が実現したいことから逆算して、キャリアプランを練る。そうやって長い目で考えてみると、新卒時点でやりたい仕事が100%できなくても、なんだか納得できませんか?

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檜山

「視野を広げる」と「長い目で見る」は似ているのかもしれませんね。

高橋

そうですね。逆に「やりたいこと」を、最初からやろうとすると苦しくなってくると思います。キャリアは積むものですから。

檜山

「キャリアを積んでいく」という考え方。すごくしっくりきます!私が就活をしていたときも、確かに「自分のやりたいことが100パーセントできる会社じゃないとだめ」と、自分で自分を縛っていました。そうではなく、自分がやりたい業界や職種を社会人10年目あたりに置いておいて、そのためには、新卒でどういう会社に行けばいいのか…そう考えると、気持ちが軽くなってきました。

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— 高橋編集長の言葉 —
「キャリアを積んでいく」という考え方。
長いスパンで考えよう!

 

高橋

学生さんって往々にして「自分がやりたいことを実現できる理想の企業」を探しすぎているところがあるんですよ。例えるなら、自分の理想をすべて回収してくれる王子様を探しているような…(笑)。王子様を探しすぎてうまくいかないというパターンか、入社後に「理想と違った」とモヤモヤするパターンってすごく多いです。

新井・檜山

(笑)

高橋

そうではなく、自分のやりたいことにちょっとでもかすっている会社であれば、すごくラッキーだと思うんです。新井さんの場合は「教育・黒板・IT」が軸ですが、その中の「黒板」あるいは「IT」だけでも押さえていれば、それはすごくいいんじゃないかと。「教育業界」で学んで吸収して、実績を積んだら次は「黒板産業」にステップアップして…というふうにキャリアを積んで行けば、だんだんと自分のやりたいことも実現できると思うんです。

檜山

なんだか安心しました。

高橋

自分自身もそうだったのですが、若いときってどうしても短期的な視野で物事を見てしまいがちですよね。「自分にあった企業は」とか「自分の理想の企業は」とか悩んでしまうのですが、キャリアセミナーでは「そんなの無い!」と一喝しています(笑)最終的なゴールのためにはどうキャリアを積んでいけばいいのか?「目的からキャリアプランを練っていく」という考え方をおすすめしています。

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地元にいつ帰るか問題

— 高橋編集長の言葉 —
最終的に茨城に帰れば、それはUターン!

 

高橋

地元に帰ってどんな風に生きたいかって考えたことありますか?別の言い方をすると、どう貢献していきたいかという風にも言えるかも知れません。どうでしょう?

新井

色々悩んだ結果、教師になるのではなく、教師を支えたいと思うようになり、そういう意味では、地元で働く先生を支えるような生き方がでいたらいいなと今は思っています。

高橋

それができたら地元にすごく貢献できますよね。

新井

Uターンか都心就職かで悩んだ時期もありましたが、高橋さんのお話を聞いているとUターンを目的にしてはいけないんだな、と感じました。

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檜山

私も高橋さんの話を聞いて、将来的に茨城に帰りたいという思いがあるのであれば、必ずしも「今」じゃなくてもいいのかなって思いました。30歳くらいには戻る!と決めたら、そのためにどういう選択をすればいいのか。東京で培ったスキルを将来地元に還元するためには、新卒の時点ではどのような会社で働けばいいのか、どういうスキルをつければいいのか…。
すべて逆算して考えてみると、なんだか考えるのが楽しくなってきました。

新井

大学卒業後に地元に帰ってくることを「Uターン」と呼ぶ、というよりは、時間はかかっても結果的に茨城に帰ってくれば、それってUターンじゃないかなって。

檜山

うんうん。

新井

「Uターンしたい」という思いを大切にして、すぐに戻らないことに罪悪感を持つんじゃなくて、もっと長期的に見て地元のためになるように自分を成長させておくのもありだなと。

檜山

「今しかできないのはどちらか」という考え方もいいかもしれませんね。「東京に出てから地元に帰る」ことはよく聞くパターンだけど、逆の「地元の帰った後、将来的に東京に出る」ことって割と難しいのかもしれない。それを考えると、最初に入る会社は東京だと楽なのかなあと。

高橋

いずれにしても、「大きなゴールを達成するために、最初はどのような一歩を踏むべきなのか?」を考える。そうすることで、就活やUターンの悩みは解決するかもしれませんね。「どんな仕事をするか」「どこで働くか」を考えるより、「どう生きたいのか」「自分のキャリアをどう設計するのか」を考えたほうがいいと思います。

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自分を見失ってしまう問題

— 高橋編集長の言葉 —
自分のルーツをきちんと知ることは
就職活動にもプラスになる!

 

高橋

就職活動においても地元の存在は実は非常に重要なものです。「自分のキャリアやアイデンティティを考えるときに、生まれ育った場所」って切っても切り離せないからです。

檜山

アイデンティティというところでは確かにそう思います!私は栃木の本当に文字通りの限界集落で生まれ育ったのですが、そんな中だと、人と違った背格好をしているだけで、違った目で見られるんです。私は背が高くて、それがコンプレックスだったんですが、そういう原体験があるからこそ、世の中で光が当たっていないものや人に光を当てるようなことがしたい!と思うようになって、これからやっていくメディアをつくる仕事へとつながったと思っています。

高橋

そうなんですね。地元は良くも悪くも、やっぱり人生の原点ですから、そこが自分にとってどんな場所なのかに正面から向き合うことで見えてくるものってきっとあると思います。

檜山

東京にも地元にも良さはたくさんあって、良さを言い出したら、きっとキリがないと思うんです。
大切なのは、その「良さがたくさんある」なかで、自分は何を優先順位として一番大切にしたいと思うのかを棚卸しするのが、就活で一番最初にやるべきことだと思うんです。
そこで「地元に帰ることが、自分の目的を達成する手段」として一番効果的なら、すぐにUターンするべきなんじゃないかな。

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新井

長い人生を通して、自分は地元にどう向き合って行きたいのか。いま一度、考えてみようと思います。

高橋

最後に。地元は正直いいことが多いと思いますよ。満員電車はありませんし、一人暮らしをしても家賃は安い。家族が近くにいて安心ですし、育ったところのものを食べてとか、生物学的にもそのほうが人間にとって自然なんじゃないかって。「生き方=仕事」だけではありませんので、そういうことも含めてキャリア設計をしていくことが大事です。

檜山

なんかとってつけた感(笑)。

高橋

おいおい(笑)。

檜山

今日はありがとうございました!

新井

ありがとうございました。胸のつかえがスッとなりました(笑)

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インタビューを終えて

crosstalk_img_after_01「最終的に地元に帰ればUターン」「キャリアを積んでいく」。その言葉を聞いて、自分の人生を長い目で考えることの大切さを再確認しました。就活だ、と目の前のことに一生懸命になっていると、視野が狭くなってしまいがち。就活で選んだ選択肢は人生の一部に過ぎないということを頭に留めながら、今後も自分のキャリアを考えていきたいです。

crosstalk_img_after_02まず自分のルーツを見つめ直すことで、どのような生活していくのが自分に適しているのかを考えることが大事だと感じました。そして、自分がやりたいと思う仕事を明確にすることが本当に大事だと分かりました。前向きに物事を捉えられるようになれそうです。

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